日本人は貯蓄好きの国民として有名です。
金融広報中央委員会が毎年おこなっているアンケートによると、貯蓄の目的は「老後の生活費」「病気や不時の災害への備え」の上位2つが群を抜いています。
また、日本人は堅実な国民性から、金融資産の大半は預金、年金、保険といった「貯める」と「守る」に重点を置いている人がほとんどです。
もちろん、それらが悪いというわけではありません。
ですが、このような方たちには共通していることがあります。
それは「お金をコントロールする術」を知らないということです。
常にお金に対する不安を抱えているばかりか、増えないのでさらに貯蓄をすることになります。その結果、同じ金額を株式や債券で運用している人と比べた場合、10年、20年先の資産額に圧倒的な差がついてしまうのです。
お金で泣く人、笑う人の違いは「お金をコントロールする術」を知っているかどうかにあります。
普通の人がお金をコントロールすることなんてできるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、これは専門家にしか分からないようなテクニックではありません。
これらが「お金をコントロールする術」です。
「貯蓄から投資へ」というスローガンが強く叫ばれるようになって20年になりますが、それでも株式や投資信託の割合が急激に増えるような事態にはなりませんでした。
それは「投資=投機」、つまり投資はハイリスクハイリターンだと思い込んでいることが原因の一つだと考えられます。
本来、投資とは「有望と思える投資先にある程度長期的に資金を投じていくこと」であり、大きな利益を得るためにリスクの高いいちかばちかのような取引をすることでありません。
お金をコントロールする術を身に付けるということは、今必要なお金にまつわる基本的な知識を学び、できることからコツコツと始めることに他なりません。
本書では「貯蓄」「保険」「年金」「住宅」「相続」「税金」といったあらゆる分野からそれらを実現し、無理のない現実的なライフプランを構築するコツをご紹介しています。
本書が皆様のお金の不安と疑問を解消し、豊かな人生を送るお供になればこれ以上嬉しいことはありません。
井澤 江美 (いざわ えみ)
税理士・社会保険労務士・FPで運営する
家計の総合相談センター代表取締役。
マネーリテラシー研究所代表取締役。
CFP認定者、1級FP技能士、MBA。
早稲田大学大学院会計研究科卒業。
FP歴32年の超人気ベテランFP。
一貫してパーソナルファイナンスの普及に携わっています。
TKCで税財務ソフトコンサルに従事後、公認会計士事務所が母体の独立系FP会社にてFP相談業務、金融機関向けFP講座講師、労働組合・厚生年金基金主催マネープランセミナー講師などに従事。
1994年に「家計の総合相談センター」を設立し、相談業務、各種講師、執筆業務などの活動を開始する。東京・横浜・名古屋・大阪でCFP、税理士、社会保険労務士などお金の専門家のメンバーによる来店型相談センターを開設。
トヨタグループ、パナソニックグループ、ANAグループ、東急グループ各社のライフプランセミナー、上場企業向け確定拠出年金セミナー、金融機関主催のセミナーの講師も多数担当。
FP歴32年を通し、一貫して「パーソナルファイナンス」の普及に携わる。大学や大学院会計ファイナンス科客員教授として、学生から社会人までマネーリテラシーを広める活動を続けながら、税理士法人税金相談センター資産コンサルティング部執行役員として企業財務・個人財務のベストプランを提供する業務も展開中。
モットーは「和顔愛語」。趣味は陶芸。
一生役立つマネープランの情報サービス・相談を心がける。
本書が待望の初の単著となる。